前回の記事では、発達障害についての特性やよくある誤解についてお伝えしました。今回は、自閉症スペクトラム障害の特性を生かした支援方法についてお伝えします。
特性1.強いこだわりをもつ。
自閉症の子どもたちは、マイルールを決めていることがあります。これは、わがままではなく、自分にとって生活しやすいように考えているのです。一度決めた予定の変更が苦手な部分も見られます。
また、自分の得意なことや興味のあることの知識が豊富です。自分の興味があることは、集中して長い時間取り組むことができます。
支援
マイルールについては、可能な限り本人の意思を尊重してあげるとよいでしょう。変更が必要な場合は、変更することによるメリットと理由を本人に伝えたり、一緒に変更案を考えたりするとよいでしょう。予定については、見通しをもたせると安心することができます。子どものよく見る場所に1日の流れを示しましょう。
発達障害のある子どもたちは、得意なことがある一方で苦手なことも多いです。苦手なことに取り組ませることも大切ですが、得意なことを伸ばしていくことを優先させてあげてください。例えば、算数を得意と感じさせることができれば、クラスの誰よりも算数に熱中して取り組むようになります。一人一人に合った得意分野をつくってあげましょう。
特性2.感覚、聴覚、味覚、嗅覚過敏になる。
自閉症スペクトラム障害の子どもたちは、匂いや音などに敏感です。また、好き嫌いも多いです。刺激のある味や匂いのついている食べ物が苦手で、味があまりしない白米などをよく食べます。
支援
音が苦手な子には、イヤマフを使うと音が気にならなくなって落ち着きます。給食については、事前に本人や保護者に食べられるものを確認しておきましょう。例えば、カレーライスが出た時には、カレーをかけずにご飯だけを提供することも考えておきましょう。
他の子どもたちと同じようにできることを目指すのではなく、その子に合った支援をして過ごしやすくしましょう。
自閉症スペクトラム障害のある子どもたちを支援するためには、教員が障害をきちんと理解することが大切です。保護者と連携して障害によるつまずきを取り除くための支援方法を考えていきましょう。
適切な支援があると子どもが安心して学校生活を過ごすことができます。安心して過ごせる環境があると、学習に参加することや他者と関わることができるようになります。次回は、注意欠陥・多動性障害についてお伝えします。お楽しみに!
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