学習障害1

 前回の記事では、注意欠陥・多動性障害の特性や支援についてお伝えしました。これから学習障害の特性を生かした支援方法について、2回に分けてお伝えします。今回は、書字障害と読字障害、次回(3月19日)に計算障害についてご紹介します。


学習障害の背景

 学習障害は、聞く、話す、読む、書く、計算する、推論することについてのつまずきが見られます。学習障害は自閉症スペクトラム障害や注意欠陥・多動性障害と異なり、生活面においてのつまずきがほとんど見られないことから、見えない障害とも言われています。そのため、医師が診断することも難しいのが実情です。学校現場でも学習障害について十分啓発されていないため、学習ができない子と見られがちです。


書字障害について

(特性)

 作文を書くことが苦手だったり、黒板に書かれている文字をノートに写したりするのに時間がかかります。漢字等の文字を上手く書けないことがあります。特に画数が多い漢字は覚えるのにかなりの時間を要します。

(支援)

・きちんとした作文を書く前に箇条書きで書けることから書いていくとよいでしょう。箇条書きで書いた文章を最終的に読みやすい順序に並び替えた作文に完成させましょう。

・ノートに文字を書くときは、全てを写すのではなく大事な箇所だけ写すように声を掛けましょう。黒板に書いてある文字を写すよりもタブレットで写真を撮ってノートに書き写す方が負担が軽減されます。

・画数が多い漢字は、複数の漢字が組み合わされていることが多いです。漢字をパーツに分けて書けるようにしていくとよいでしょう。先に「へん」等を覚えることも効果的です。


読字障害について

(特性)

 音読をする時に誤って読んだり、文章を読み飛ばしたりするつまずきが見られます。ひらがなや漢字を読むことができないことがあります。

(支援)

・音読用スリットを用意して、読む箇所だけ見えるようにします。他の箇所は見えないため、読み飛ばしを防ぐことができます。

・ひらがなや漢字を覚えるときには、単語のイラストを用いて視覚的に学べる配慮をしましょう。


 次回は、計算障害についてお伝えします。次回もお楽しみに!

インクルーシブ教育研究室

インクルーシブ教育について研究しています。これらから少しずつページを作っていきたいと思います。

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