注意欠陥・多動性障害

 前回の記事では、自閉症スペクトラム障害の特性や支援についてお伝えしました。今回は、注意欠陥・多動性障害の特性を生かした支援方法についてお伝えします。


特性

注意欠陥・多動性障害は、不注意タイプ、多動性タイプ、衝動性タイプの3つに分けられます。おそらくどのタイプのお子さんも各教室に在籍しているかと思います。

①不注意タイプ

 注意力散漫でケアレスミスが非常に多いです。テストで簡単なミスをしたり、忘れ物が多かったり子どもたちです。また、活動に集中することに困難な状態が続きます。

②多動性タイプ

 おしゃべりや手遊びが多く、落ち着いて待つことが困難です。座って授業を受けることができない子どもたちは、立ち歩く姿が見られます。

③衝動性タイプ

 多動性タイプの子どもたちと似ていますが、落ち着いて待つことが困難です。並んでいる列に割り込んだり、他者の活動を邪魔したりしてしまいます。


支援

①よく誉める

 どのタイプの子どもたちも成功体験が著しく少ないため、成功体験をさせて誉めることが大切です。注意欠陥・多動性障害だけではなく、自閉症スペクトラム障害や学習障害の子どもたちも同様の支援が必要です。

②視覚的に情報を伝える

 注意欠陥・多動性障害の子どもたちは、一度伝えたことでも忘れてしまうことがよくあります。大事なことは黒板やホワイトボード等に書いていつでも確認できるようにしましょう。自閉症スペクトラム障害と同様に活動の見通しをもたせることが大切です。

③動く活動を多く取り入れる

 注意欠陥・多動性障害の子どもたちは、長い時間じっとしていることが苦手です。授業中で長い時間座って聞くだけの活動だけではなく、話したり、立ったりする活動を取り入れましょう。例えば、ペアトークをする時は、立ってペアの人に自分の考えを伝えて、お互いに伝え合ったら座る活動は効果的です。

④薬を飲む。

 注意欠陥・多動性障害は、他の発達障害と異なり薬で改善することができます。この薬は、障害を治療するために服用するのではなく症状を和らげるために使います。薬で落ち着かせるだけではなく、落ち着いたことを誉めて動機付けすることが大切です。当然のことですが、薬は医師に処方してもらう必要があります。医療と連携をしていくためには、保護者の協力が必須です。


 注意欠陥・多動性障害の子どもたちは、学年が上がると症状が落ち着くことがあります。支援をしてもすぐには改善しないことがありますが、長期的に支援をすることで効果が出てきますので、継続的に支援をすることが重要です。次回は、学習障害についてお伝えします。お楽しみに!



インクルーシブ教育研究室

インクルーシブ教育について研究しています。これらから少しずつページを作っていきたいと思います。

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