インクルーシブ教育に必要なこと(教育制度編)

 前回に引き続き、「インクルーシブ教育を実施するために必要なこと」をお伝えします。現在の学校現場の問題点を取り上げて、改善策を提案します。皆様のご意見をコメント欄やTwitterに返信して頂けると嬉しいです。2回目は、教育制度編です。


 少し前の情報にはなりますが、全ての小中学校に特別支援学級が併設されている川崎市では、特別支援学級の児童生徒が増加傾向であります。これは特別支援教育に対する保護者の理解度が上がったことも挙げられますが、通常の学級で学習できないから特別支援学級に転籍を余儀なくされたケースもあります。可能な限り通常の学級で子どもたちが学べるような教育制度について考えていきたいと思います。

上記資料引用元:川崎市教育委員会「第2期川崎市特別支援教育推進計画」(2015年3月)


 現状の通常の学級では、1学級最大40人までという法律があります。(小学校では、今後段階的に35人までに引き下げます)ただし、この人数には特別支援学級から交流している児童生徒の人数は含みません。私は以前通常の学級の児童39名+特別支援学級の児童2名で合計41名の担任をしたことがあります。特別支援学級の児童の実態によっては、ほとんどの授業を交流するケースもあります。このような状況で特別支援学級の児童生徒が定員に入らないと通常の学級の担任に負担が掛かります。そのため、交流する特別支援学級の児童生徒も定員にカウントすることを望みます。

 通常の学級では、学級担任が1名で授業を進めています。クラスに特別な支援を要する子どもたちが在籍していると、個別支援をすることが非常に困難です。丁寧な個別支援をすることで、通常の学級で学ぶことのできる子どもたちもいます。通常の学級で個別支援を十分に受けられなくて、問題が生じると特別支援学級の転籍を考えることになります。彼らはきちんと通常の学級で個別の支援を受けることができれば、通常の学級で学ぶことができます。そのためには、副担任制度が必要だと思います。各学年に学級数に応じて1~2名加配の先生を入れることで個別の支援を行うことができるようになります。この加配があれば、特別な支援を要する子たちへの支援だけではなく、校務分掌も分担ができて担任の負担に繋がると思います。また、新卒の初任者も担任をもつことがなくなるので、副担任で経験を積んでから担任デビューができるようになります。


 上記で挙げた提案を実現するためには当然多額の予算が必要になります。しかし、海外では日本よりも少人数の学級で授業が行われています。日本も教育予算を増やして海外に近い形で少人数学級を実現していく必要があるかと思います。次回もお楽しみに!

インクルーシブ教育研究室

インクルーシブ教育について研究しています。これらから少しずつページを作っていきたいと思います。

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