インクルーシブ教育に必要なこと(教師編)

 今回のテーマは、2回に分けて「インクルーシブ教育を実施するために必要なこと」をお伝えします。現在の学校現場の問題点を取り上げて、改善策を提案します。皆様のご意見をコメント欄やTwitterに返信して頂けると嬉しいです。1回目は、教師編です。


 特別支援教育を推進していくためには、教師の専門性が求められます。現状の制度でぜひ皆様に取り組んでいただきたいことは、1月に紹介した「特別支援教育に対する教師の専門性」に書いていますのでご覧ください。

特別支援教育に対する教師の専門性1

特別支援教育に対する教師の専門性2


 今回問題提起したいことは、特別支援教育に関する免許の問題です。特別支援学校の免許には、視覚、聴覚、知的、肢体、病弱の領域がありますが、特別支援学校の対象ではなく、通級や特別支援学級の対象となる自閉・情緒や言語の免許は存在しません。そのため、特別支援学級や通級は、特別支援学校の免許がなくても担当することができます。(特別支援学校も免許がなくても勤務できますが、完全義務化することを望みます)

 最近、特別支援学級の担任の先生が不適切な指導を行っていたと報道されることがありますが、教員側の障害への理解度が低いことが一つの要因として挙げられます。障害のある子どもたちを担当する先生には、きちんと障害を理解している人が担任をする必要があるかと思います。通級や特別支援学級を担当する先生には、特別支援学校の免許もしくは、自閉・情緒・言語を含んだ(仮称)「特別支援学級・通級免許」を作って所持することを求めます。


 2019年度入学の学生から大学の教職課程が変更になり、特別支援に関する科目を1単位以上修得することが義務化されました。しかし、現在現場に出ている先生方への研修も必要となります。特別支援教育は通常の学級に在籍している児童生徒も対象になることからすべての教員が学ぶ必要があります。大学では分からない現場での悩みを取り除けるようにするために、校内でケース会議のような研修会を行う必要があるかと思います。校内に在籍する児童のつまずきを全教員で考えて障害の理解を深めていただきたいです。このような研修会には、特別支援教育士、学校心理士、臨床発達心理士、公認心理士等の有資格者を講師として来校して頂くと、適切な助言を頂くことができます。


 次回は「インクルーシブ教育に必要なこと(教育制度編)」をお伝えします。次回もお楽しみに!

インクルーシブ教育研究室

インクルーシブ教育について研究しています。これらから少しずつページを作っていきたいと思います。

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