前回の記事では、特別支援学級の児童が通常の学級で学べるようにするための支援方法について紹介しました。しかし、支援が必要な子どもたちは特別支援学級だけではなく、通常の学級にも在籍しています。2012年に実施した文部科学省の調査によると、通常の学級で学習面又は行動面で著しい困難を示す児童生徒の割合は6.5%という結果が出ました。(通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について)
今回は、通常の学級に在籍している子どもたちにできる個別支援について紹介します。今回紹介する支援方法は、特別支援学級の児童が交流する時にも使えますので、参考にしてみてください。
①九九表を用意しておく
九九は、2年生で学習する内容ですが、学習につまずきのある子は高学年になっても九九を覚えていないことがあります。九九を覚えていないと、わり算やかけ算の筆算の学習が困難になります。九九表を見ながらやることで、九九が分からなくても計算の仕方が分かるようになることがあります。九九が分からない子がいたら、机の中に九九表をしまっておくことを提案してみてください。九九表は、インターネットでダウンロードすることができます。
②計算式をホワイトボードに書かせる
この支援は、過去に担任をしていた子どもからの要望で取り入れました。かけ算の筆算をする時に、「計算ドリルの途中式を書くスペースが小さい。」「間違えた時に消しゴムで消すのが大変。」という子どもの訴えがありました。ホワイトボードなら、消すのが簡単で途中式を大きく書けるので、この方法を取り入れました。この子は、ホワイトボードを使うことが大好きでしたので、好きな物を活用することで学習意欲を高めることができました。
③本人の能力に応じて問題量や内容を調整する
通常の学級には、問題を解くのが早い子もいますし、ゆっくりの子もいます。問題の量が多いと感じるときは、最初に問題の量を絞って確実に到達できるゴールを示してあげることが大切です。漢字の練習の時に、書字が苦手で自信ないという子にはなぞる箇所を丁寧に書くように声をかけました。なぞりの練習をすることで自信がついてきて、なぞる箇所以外の漢字練習も取り組めるようになりました。できないことを押し付けてやらせると子どもはやる気を失います。できることに取り組ませて「もっとできるようになりたい。」と思えるようにすることが大切です。
クラスの他の児童と同じようにやることが正解ではありません。障害がなくても学習が苦手な子もいます。障害の有無に関わらず一人一人が自分に合った学習方法で取り組めるようにしていきましょう。次回の記事もお楽しみに!!
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