各教科における障害のある児童への配慮

 今まで何度か個別の支援について紹介してきました。適切な個別の支援を実施していくためには、障害の特性と教科の特性を考慮していく必要があります。今回は教科の特性に応じた支援について紹介します。


 みなさんは学習指導要領の各教科の解説編を読んだことがありますか?学習指導要領解説編には、各教科の指導内容だけではなく配慮事項も記載されています。各教科の解説編の後半には、「障害のある児童への配慮についての事項」が書かれています。

以下は、各教科の指導要領解説編に統一された記載事項です。

「障害のある児童などについては、学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと。」(学習指導要領解説編より)

上記の指導方法の工夫はどうしたらよいのでしょうか。


 2017年3月に告示された現在の学習指導要領には、各教科で必要な配慮が書かれています。

・自分の立場以外の視点で考えたり他者の感情を理解したりするのが困難な場合には,児童の日常的な生活経験に関する例文を示し,行動や会話文に気持ちが込められていることに気付かせたり,気持ちの移り変わりが分かる文章の中のキーワードを示したり,気持ちの変化を図や矢印などで視覚的に分かるように示してから言葉で表現させたりするなどの配慮をする。(国語)

・文章を読み取り,数量の関係を式を用いて表すことが難しい場合,児童が数量の関係をイメージできるように,児童の経験に基づいた場面や興味ある題材を取り上げたり,場面を具体物を用いて動作化させたり,解決に必要な情報に注目できるよう文章を一部分ごとに示したり,図式化したりすることなどの工夫を行う。(算数)

・複雑な動きをしたり,バランスを取ったりすることに困難がある場合には,極度の不器用さや動きを組み立てることへの苦手さがあることが考えられることから,動きを細分化して指導したり,適切に補助をしながら行ったりするなどの配慮をする。(体育)


 この文章には、子どものつまずきと支援方法がセットで書かれているのが特徴的です。体育は、上記とは別に学年の指導内容のページに運動が苦手な児童への配慮の例が紹介されています。具体的な例が多数紹介されていますので、ぜひご覧ください。

 学習指導要領は、書店も販売されていますが、文部科学省のHPから無料でダウンロードできますのでご活用ください。

  今回は以上になります。次回もお楽しみに!!

インクルーシブ教育研究室

インクルーシブ教育について研究しています。これらから少しずつページを作っていきたいと思います。

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